転生 神龍 は 暇 を 持て あ ます。 第1話 どんなに強い剣士でも、隕石には勝てない。

FAQ

転生 神龍 は 暇 を 持て あ ます

「じゃ、じゃあ、なにか? あの時、誰かに押されたと思ったのは間違いで、川に落ちたのはネコが僕の頭に飛び乗ったのが原因だと?」 「そうなるわね」 女神はそう言うと、肩を震わせて笑い出した。 「貴方もネコも、近年 稀 ( まれ )に見るマヌケ…」 理希は再び無言で女神の頭を叩いていた。 頭を振って、回想から意識を戻した。 その後、転生する・しないでもう 一悶着 ( ひともんちゃく )あり、売り言葉に買い言葉。 「絶対にしない」と言い切って、現在に 至 ( いた )るわけだ。 『時間なんてものはいつも足りなく感じていたから、ここまで持て 余 ( あま )すとは思わなかった…』 ゆっくりと周囲を確認する。 『そういや、名前を聞いてなかったな…』 「ぉーぃ…」 久しぶりに声を出したので、ビックリするほど小さい声しか出なかった。 「ぁー、あー、阿ー、女神~、いないのか~?」 何度か発声練習をしてから、部屋の奥に向かって呼び掛けた。 しばらく待つと、激しい足音が次第に近づき「あっ、痛っ!」という悲鳴が聞こえた。 押し殺したような 呻 ( うめ )き声が止み、ワンテンポ遅れて、壁を 透過 ( とうか )し女神が姿を 現 ( あらわ )した。 「やっと、転生する気になった?」 おでこを赤くしながら、目を 輝 ( かがや )かしている。

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HJネット小説大賞2019(HJネット小説大賞

転生 神龍 は 暇 を 持て あ ます

「じゃ、じゃあ、なにか? あの時、誰かに押されたと思ったのは間違いで、川に落ちたのはネコが僕の頭に飛び乗ったのが原因だと?」 「そうなるわね」 女神はそう言うと、肩を震わせて笑い出した。 「貴方もネコも、近年 稀 ( まれ )に見るマヌケ…」 理希は再び無言で女神の頭を叩いていた。 頭を振って、回想から意識を戻した。 その後、転生する・しないでもう 一悶着 ( ひともんちゃく )あり、売り言葉に買い言葉。 「絶対にしない」と言い切って、現在に 至 ( いた )るわけだ。 『時間なんてものはいつも足りなく感じていたから、ここまで持て 余 ( あま )すとは思わなかった…』 ゆっくりと周囲を確認する。 『そういや、名前を聞いてなかったな…』 「ぉーぃ…」 久しぶりに声を出したので、ビックリするほど小さい声しか出なかった。 「ぁー、あー、阿ー、女神~、いないのか~?」 何度か発声練習をしてから、部屋の奥に向かって呼び掛けた。 しばらく待つと、激しい足音が次第に近づき「あっ、痛っ!」という悲鳴が聞こえた。 押し殺したような 呻 ( うめ )き声が止み、ワンテンポ遅れて、壁を 透過 ( とうか )し女神が姿を 現 ( あらわ )した。 「やっと、転生する気になった?」 おでこを赤くしながら、目を 輝 ( かがや )かしている。

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異世界へ転生する前に読んでおくべき5冊

転生 神龍 は 暇 を 持て あ ます

謁見の間。 悔しさに顔を歪ませ、床の上で這いつくばっている預言者を、タカシは無表情で、見下ろしていた。 これでいま、龍空、人間界に散らばっている神龍たちがあんたに会いにくるぜ。 よかったな、人気者じゃねえか」 「バカな……! このワシが……、こんなところで終わるというのか……!?」 「はぁ……、終わらせねえよ……」 「……な、なんだと?」 「ここまでしておいて、終わるわけねえだろ? なんのために、俺がここまで来たと思ってんだ。 おまえがドーラに何したのか、覚えてねえのかよ。 死にたくなるまで殴るからな。 追放にしても、死刑されるにしても、だ。 そのまえに、どうしても落とし前つけんきゃなんねえよな?」 タカシは腰の剣を投げ捨てると、右手首を左手で掴んだ。 タカシは低い、獣のような唸り声を上げ、魔力を、力を右手に集中させていった。 「ひ、ひぃ……!? な、なに……!?」 「わかるか? この右手を包む黒い炎が……。 今度こそ幻術でもないんでもない、正真正銘の餓炙髑髏だよ。 こいつは、おまえの 精神 ・・だけを喰らい殺す!」 「なんなんだ、これは?! おまえ……、おまえは……一体……何者なんだ!?」 「教えてやろうか……! 俺は……ドーラの……保護者だあああああああああ!!」 「ひぃ……ギャアアアアアアアアアアアア!!」 タカシの拳が預言者の腹を貫く。 そしてその瞬間、預言者の体が発火する。 ボゴォ! と周囲の空気、全てを灼くような黒炎が、預言者の体を包む。 「死んで地獄から詫びろォ! オラアアアアアアア!!」 タカシは拳を引っ込めると、間を置かずに、連打を繰り出す。 絶え間なく繰り出される拳に、預言者は声をあげる暇さえなかった。 拳は預言者の顔を焼かれ、腹を焼かれ、腕を焼かれ、内臓をも焼かれていく。 「どうしたどうしたァ! 龍の鱗は、すべての炎を通さないじゃなかったのか!? ああ!? こんなモンかぁ!?」 「やめ…………やめ………………」 トドメと言わんばかりに、ひときわ重い拳がズドン、と腹部に突き刺さる。 「あがが……がが……が……」 タカシは拳をそのままにし、預言者の顔面を思いきり蹴り飛ばした。 それにより、預言者に刺さっていた腕がズボッと抜ける。 預言者は力なく虚空を見つめ、ただ金魚のようにパクパクと口を開閉している。 しかし、預言者には目立った外傷は見当たらなかった。 「餓炙髑髏は精神を灼く炎だ。 肉体は、まあ、残しておいてやるよ。 …… 同族 ・・の為にな」 タカシは吐き捨てるようにそう言うと、視線を移動させ、神龍国王に向き直った。 『ア……テンアテン……ア……テンアテ……ンアテンア……テンアテ……ンア……テンアテンアテ……ン……』 「終わったよ……。 これでいいのかはわかんないけど、少なくとも、ドーラに危害を加えるやつはいなくなった……あんたも安心してくれ」 『ア……テンアテ……ンアテ……ンアテンア……テンア……テンアテン……アテンア……テン』 「つっても、もうわからねえかな……。 さて、あんたもそんな姿、ドーラに見られたくないだろ? うん……、わるい。 これは俺のエゴだ。 ……けど、最低限の、知ってしまった者のけじめだ。 少しの間、辛抱しておいてくれ……」 タカシは目を閉じると、スッと優しく、国王に手をかざした。 国王が微かにもっていた生命エネルギーが、その肉体が、水辺の蛍のようにゆらゆらと散っていく。 『逝っちゃいましたね……』 「だな……って、ルーシーか。 起きてたのか?」 『話の邪魔をしないよう、ずっと黙ってました』 「もう昇天したのかとおもった。 しぶといな」 『ええ!? なんでそんなこと言っちゃうんですか!? いまそういう話する場面じゃないですよね!? もうちょっと、沈痛な面持ちでいましょうよ! そういう場面でしょ! まったくもう、ほんと空気が読めないんですね! なんだかタカシさんのことが可哀想になってきました。 なんですか? よしよしされたいんですか? してあげましょうか? 頭を出してください! してあげませんから!』 「うるせーんだよ。 相変わらずだな、おまえは」 「ルーシー!」 アテンの声。 それと共に謁見の間の扉が開き、騒ぎを聞きつけた神龍が駆けつけてきた。 「よ、預言者が死んで……?」 「いや、生きてるよ。 殺して は ・いない」 「……お、終わったのか?」 「それはこっちのセリフだろうが。 エウリーはすがるようにして、アテンのジャージを掴み、それと同時にスノがなだれ込んできた。 「助けてェ! 姉様が!」 「こら、スノ!」 「しかし、王女様……、 愚妹 エウリーのやつが……」 「おまえら、ほんとゲンキンだよな。 いままで モドキ ・・・呼ばわりだったのに、いまは 王女 ・・かよ」 「それに関してはもういいんだ、ルーシー。 龍空がこうなった責任はあたしたち親子にある。 ……きちんと、みんなをもっと信用していたら、こうはならなかっただろう……むしろ、まだあたしを王女って呼んでくれるだけで、嬉しいんだ」 「王女……」 その場にいた神龍が、伏し目がちにそう呟いた。 一体はアリス。 そしてもう一体は、シノに斬られたはずのカーミラであった。 カーミラは体中、いたるところに刀傷があったものの、顔色は悪くなかった。 「龍空城の放送を聞いて、急いで戻って参りました! 状況はいかが……です……か……?」 「……だれ?」 「あんたこそだれよ! どうして、知らない奴がこんなところにいるワケ?」 「俺は……」 「彼女はルーシーだ。 龍空を預言者から救ってくれた勇者だ。 アリス」 タカシの言葉を遮るように、アテンが付け加える。 「も、モドキ……いえ、王女様……ですよね?」 「久しぶりだな、アリスにカーミラ」 「お久しぶりです! 嗚呼、わたしったら、王女様になんてことを……! 謝っても謝っても、償いきれるものではありません!」 「……お久しぶり、でございます。 王女様」 「うんうん。 ……ところで、カーミラよ。 おまえともあろう龍が、人間に手酷くやられたようだな」 「はい。 それはもう。 あのとき、死んだ、と思っていたのですから」 「でも確か……、自分を皇と名乗った人間に助けてもらったのよね? カーミラさん?」 「トバ皇のことか?」 皇という単語に、タカシは反応を示してみせた。 「え? うーん、たしかそんな名前だったわね。 元勇者一行とも名乗ってたわ」 「……あの人、戦士だったよな……なんで回復できるんだ……?」 「ああ、それはね、カーミラさんに使ったのは、以前、旅をしていた時に入手した薬なんですって」 「そうか。 ……いや、それよりも、シノさんを見なかったか?」 「シノ……? 知ってる? カーミラさん」 「いいえ。 あの……特徴を、教えてもらえますか?」 「ああ、ええっと、長い黒髪で目に前髪がかかってて……」 「それはもしかして……、 龍殺し ドラゴンスレイヤーの剣士では?」 「そうそうその人だよ。 その人は無事なのか?」 「はい。 わたし共々、トバ皇に救われました。 大丈夫、生きていますよ」 「そうか……よかった……」 タカシはシノの無事がわかると、ホッと胸をなでおろした。 「と、ところで、母様が見当たらないのだが……、もしや、未だ病床に伏しておられるのか?」 「え? あ、いやー……」 タカシはアテンから視線を逸らし、すこしだけ狼狽えている。 龍空城からの放送は、タカシによる編集があったため、国王に関しては部屋にいたタカシとサキ、ルーシー、それと預言者の四名しか知り得なかった。 「えーっと……なんだ、まあ、説明するよ。 どうなったか」 タカシは歯切れが悪そうにそう言うと、謁見の間で起こった事、預言者から聞いた話を、かいつまんで、そこにいる者たちに聞かせた。 もちろん、 アテンの母親 国王がどのような姿になって、どうやって死んでいったかは伏せていた。 タカシの話を聞き終わると、みな一様に暗い顔で俯いていた。 ちなみにドーラの母親……国王だな。 あの人はもう、逝ったよ。 ……最期まで、ドーラ……いや、アテン。 おまえの名前を呼んでいた」 「母様が……」 「……急で悪いが、さっさと こいつ 預言者の処遇を決めたほうがいいぞ、 国王様 ・・・」 「うん。 そうだな……て、ええ!? あたしがか?」 「他に誰がいるんだよ……」 「で、でもあたしなんかが……」 「アテン様。 最早、我らの王となれるのは、貴女だけです。 我なんかがこんな事を言う資格はないのですが……ここにいる全員、貴女が相応しいと思っていますよ」 エウリーの言葉に、アテン以外の神龍が力強く頷いた。 「みんな……、うん。 わかったよ。 あたし、母様の分も頑張るから! みんなも、あたしに付いてきてくれ!」 「はい!」 ドーラの問いかけに、そこにいた神龍全員が返事をした。

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